楠本研究室

教育工学

昨今の情報社会化にともない、情報分野に関する教育の重要性は高まっています。 日本でも、小中学校でプログラミング教育が義務化、高校の必修授業に「情報I」の追加など、情報教育の機会は拡大しています。 楠本研では、そんな情報教育をより良くするための研究に取り組んでいます。 ここでは楠本研での教育工学の研究例をいくつか紹介します。

プログラミング言語には独特な概念が出てくることが度々あります。 そしてプログラミング初学者はこの概念の理解に苦しむことが多いです。 この難解な概念を分かりやすく表現する手法を提案することで、スムーズなプログラミング言語習得を支援しました。

また、プログラミングの授業では与えられた課題をもとに各学生がそれぞれ開発を進めるという形式がよく採用されています。 ここで、各学生の課題進行度合いをスコアとして計測し、可視化・公開する手法を提案しました。 この手法によって学習が遅れている学生を早期に発見したり、学生の「他の学生に遅れないよう頑張るぞ」という競争心を搔き立てることができました。 中には、もっといいスコアを取ろうとより一層学習を頑張る学生も現れました。

グループワークでプログラムの開発を進める授業も少なくありません。 こういった授業では実務でのプロジェクト開発などと同様に、グループ内での進捗やスケジュールの管理が重要となります。 そこで進捗管理のためのツールを学生に提供することで、グループでの作業をより円滑に進められるようサポートするのに加え、学生がより実務に近い開発作業・開発技能を学校の授業で体験・習得できるようにしました。

このように、教育の効果をより高めるための手法や工夫を研究・開発する学問、それが「教育工学」です。