楠本研究室

StagE(Software Traceability and Accountability for Global software Engineering:エンピリカルデータに基づくソフトウェアタグ技術の開発と普及)

プロジェクトそのものは、2012年3月31日で終了しますが、引き続き関連研究を実施していきます。

背景:ソフトウェアに対する漠然とした不安

ソフトウェア技術は、情報家電製品、ハイブリッド自動車をはじめ、航空管制システム、金融管理システムなどの社会・産業の基幹システムまで広く用いられており、国民生活を支える社会インフラの基盤となっています。しかし、そこで用いられているソフトウェアがどのような過程で構築され、どれだけ信頼ができる品質を持っているのか、発注者にもユーザーにもわかりません。

ソフトウェアトレーサビリティの実現

ソフトウェアが適正な手順で開発され、品質も信頼できることをデータで示し、発注者やユーザーが手軽に「見る」ことができれば、解決できるかもしれません。そのために、食品流通等におけるトレーサビリティの概念を、ソフトウェアの開発過程に応用することで、「いつ、どこで、誰が、どのように」開発したものであるかというトレーサビリティ情報を「ソフトウェアタグ」としてソフトウェア製品そのものに添付します。

ソフトウェアタグの効果

発注者やユーザは、ソフトウェアタグを確認することで、以下のようなメリットを得ることが可能です。

自分が購入したソフトウェアは、きちんとした手順で作られているのかどうかを知ることができる。 万一、不具合が起こっても、すぐにその原因を調査し、解決できる仕組みが実現されている。 外部に発注したソフトウェアが、きちんとした手順で作られたかどうかを確認できる。 ユーザ・発注者・開発者間で訴訟となっても、自らを守る客観的な証拠を示すことができる。

ソフトウェアタグデータ収集システムの開発

楠本研では、StagEプロジェクトにおいて、ソフトウェアタグに登録する情報の収集に関する研究を行っています。具体的には、ソフトウェア開発過程からソフトウェアタグに登録されるメトリクス情報の自動収集システムの開発、ソフトウェアタグとして利用できる新しいメトリクスの提案を行っています。