一連のリファクタリングを分析するためのリファクタリンググラフを提案している論文.
あるコミット間で行われた単一のリファクタリングを検出したり,決められた時間内に行われた連続したリファクタリングを一連のものと見做したうえで検出したりする手法はこれまでに提案されている. 一方,一連のリファクタリングは違うタイミングだったり,違う開発者が行うことがある. 例えば,あるメソッドから新しいメソッドを抽出し,その後違う開発がリネームすることがある. このような一連のリファクタリングは既存手法では検出(追跡)できないので,評価が困難である.
そこでこの論文では,メソッドに対するリファクタリングをグラフ化することを提案している. 提案するグラフでは,メソッドを頂点,行われたリファクタリング操作を辺とすることで,メソッドに対するリファクタリング操作の流れが可視化できる.
評価結果として,多くの一連のリファクタリングが複数のメソッドを巻き込み,2,3のコミットで構成されており,1ヶ月以上にわたって変更がなされていることなどが分かった.