ヌルポ抑制ツールNullAwayの論文．

ヌルポは厄介な問題なので，回避するために様々な研究が行われている． 良く知られている手段として，@NonNullや@Nullableなどのアノテーションを引数や返り値に付ける方法がある． しかし，既存の方法はオーバーヘッドが大きい上に，全ての対象にアノテーションを付ける必要があるため，大規模開発では負担が大きい． そこで，著者らは産業での使用に耐えうるように，

• オーバーヘッドが小さい（ビルドが速い）
• 偽陰性（検知漏れ）がない ことを目指したツールNullAwayを開発した． NullAwayは前提をいくつか設けることで，ぎちぎちに解析しない．

特徴としては

• アノテーションがついていない変数は全て非nullを前提として扱われる
• 制御フローで型推論を行う（例: if(x != null) {...} ではxは非null）
• フィールドの初期化チェックを行う
• 全てのメソッドが純粋であることを前提とする

Uberに2年以上使わせた結果，既存ツールに比べてビルド時間が速く，NullAwayが保証する範囲ではNPEがなかったことを確認している．