ソースコードを変異させて自動的にクローンを生成するツールMutationInjectionFrameworkの論文．

クローン検出はソフトウェア工学において重要な研究分野の一つである． クローン検出器は一般的に適合率と再現率で評価される． 適合率は対象のクローン検出器が検出したクローンを目視で確認することで測定できる． 一方で，再現率の測定には検出対象のシステム中に存在する真のクローン集合が必要になる． それを人手で識別することは難しい． そこで，自動的にクローン集合を生成し，ベンチマークを作成したい． この研究では，ソースコード中のコード片を変異させることで人工的にクローンを生成し， それらを元のソースコードに埋め込むことでクローンのベンチマークを作成するシステム Mutation Injection Frameworkを提案している． 提案システムでは，コード片の変異方法として，実際の開発者がコピペ後に行う行為（e.g. 変数名を変える，行を挿入する）を 変異子として定義し，それらを組み合わせることで人工的にクローンを生成する． また，提案システムを用いて既存のクローン検出器を評価したり，他のベンチマークと比較したりしている．