APRで変異を行う文を選択する方法が2通りあるので,それらを比較した論文.
FLで得られた疑惑値を持つ文に対して,ランク優先と疑惑値優先で選択する. ランク優先は対象の文を疑惑値降順に並べ,先頭から順番に変異を行う方法である. そのため,もっとも疑惑値が高い文を常に最初の変異対象となる. 一方,疑惑値優先では,疑惑値が高いものが変異対象になる確率が高いが,常に最初に対象になるとは限らない.
Nopolにこれら2つの手法を実装し,有名な疑惑値算出手法であるAmple,Jaccard,Ochiai,Zoltarを用いて実験を行なったところ,疑惑値優先の方が,高い修正性を示した.
直感的にはランク優先の方が良い結果になりそうな気がするが,それとは反する結果になったのが面白い. これは,GAにおけるエリート優先が必ずしも良い結果を残すわけではないということにも繋がると思う. 常に良いものを選択し続けるのが最終的に良い結果になるとは限らないのだ.